屋根リフォーム
写真は大棟部です。
大棟とは、、屋根の稜線に熨斗瓦や雁振瓦というものを積層するものです。
日本古民家などでは、高く棟積みをすることが富の象徴でもありました。
うだつもその一種です。
(うだつが上がらないと云う表現がありますね)
反面、崩れやすく、昨今の震災では多くの被害を出しました。
被害が出た多くの屋根は、旧工法によるものでした。
耐震施工がなされておらず、脆弱な作りとなっているのです。
現在では、耐震工法をスタンダードとする潮流で、殆どの瓦屋さんが耐震工法を採用しております。
また、瓦屋根工事ガイドラインに準拠した、安心安全な工事を業界では進めております。
瓦屋根工事技士という資格もその一つです。
瓦屋根工事技士、全瓦連に加盟している工事店に依頼されることをお勧めいたします。
話が逸れましたが、写真は箱棟といい、中を空洞にしたものに、棟の装飾を施す工法になります。
高い棟でも軽量で高耐震性のものをご提案させて頂いております。
日本の瓦文化ですが、古くは1400年前の飛鳥時代の建物にも使われております。
聖徳太子の時代ですね。
今も奈良の飛鳥寺には1400年前の瓦が現存します。
凄いことです。
昨今の瓦事情は厳しいです、、、震災に対してのネガティブイメージが強く、瓦離れも散見されます。
地震に対しては屋根の軽量化は理に適っているのです。
でも、、日本の建築・木造文化は、長い歴史の中で洗練され、一つ一つには科学的な裏付けが有ります。
現代の高性能住宅も、温熱環境や空気環境・断熱性能・耐震性能など先端を行くものですが、長い歴史の中で育まれたものには及ばないようにも思います。
先達の素晴らしい住文化を、継承し伝えていく義務が、私たちには有ります。
写真の瓦の形は和形といいます。
これは様々な呼び名が有ります。和形・黒特一・和イブシ・J形・53A、、、などです。
昔は丸瓦と平瓦を組み合わせた本葺瓦と呼ばれるものでしたが、双方を一体型にし、流通が始まったのが江戸時代と言われています。
和瓦の形ですが、向って左側を袖、袖から中央下に向って湾曲した部分を谷といいます。
雨水は連続した谷を流溝として流れていきます。
いぶし瓦の素材は、、なんと粘土のみなんです!
粘土を練り、成形・乾燥・焼成・薫化のプロセスを経て完成します。
まさに自然素材ですね。環境にやさしいんです。
と或る著名建築家が、規則的に連続した瓦を「律に倣った普遍性の象徴」と表現したそうな。
芸術は分かりませんが、一様に並んだ瓦は、単純にきれいですね!